公開: 2021年10月17日
更新: 2021年10月17日
かつて階級社会であったヨーロッパのイギリスでは、産業革命以後、社会的階級が固定化したため、「社会的格差」が「格差」を固定化させているとする視点から、社会学者による研究が行われてきた。ファーロングらによれば、収入による格差が、家庭の家計を決定づけ、その家庭の子供たちへの教育投資に影響し、十分な教育を受ける機会を失った貧しい家庭の子供たちには、十分な教育を受けることが困難になるため、自分達も低い収入しか得られない職業に就かざるをえない状況に置かれる。このことが、1世代だけでなく、次の世代にも継承されるため、社会的な格差の固定がもたらされると指摘した。
ファーロング& カートメル著. 若者と社会変容. 大月書店(2009)